その1 「紹介とかなんか」
「『と、いうことでなんか適当に話しておきなさい』、だとさ。よくわからないけど、とりあえず自己紹介からすませておくわね」
「おっしゃ、それじゃあオレから自己紹介するぜ! オレはバクフーンの『かげろー』っつんだ。よろしく!」
「私はライチュウの『らいち』よ。……二人とも安易な名前ね、とか思っちゃ負けよ」
「ところでらいち。なんで今回は二人だけなんだ?」
「なんでもアイコンが完成しているのが私とかげろーだけで、とりあえずの場つなぎらしいわ」
「適当だな、おい。で、場つなぎで何を喋れば良いんだ? っつーか場つなぎって何の場つなぎだよ」
「『とりあえず、各々の出身地でも語っていろ』、だそうよ」
「出身地ぃ? オレの出身地はあれだよ。あれ。何っつったけなぁ。
なんか森の神様だかが祀られているとこ。どこだったっけなぁ」
「ヒワダの近くの森よね。……あれってなんだったかしら。
しばらく金銀やってないと思い出せなくなるわね」
「あそこでカモネギに苦戦されて何度も同じ道を歩かされた記憶があるぜ……。
なんとかの森だよな」
「かげろー。あんた、自分の出身地ぐらい覚えておきなさいよ……」
「じゃあ、おまえは覚えてんのか?」
「当たり前でしょ。私はコガネシティと――」
「……あー、えーっと、コガネシティと……森の間の育てやさんよ」
「おまえも曖昧じゃねぇか」
「うっさいわね。あの森の名前が思い出せないのはあの森の名前が近くの町の名前をとっていないからよ。
ヒワダの森じゃなかったし。コガネの森でもないし」
「あーあ、赤緑みたく金銀もリメイクが出ればなぁ。
その森もリメイクされて思い出せるし、オレの晴れ舞台も増えるし、
何より今の子供たちにバクフーンはかっこよくて強いという認識をしてもらえるしな!」
「でもなんだかリメイク出ますよーの雰囲気はあまり出ていないわね……。
期待はあまりできないんじゃない?」
「うぅぅ。それもこれもDSでGBCのゲームができないからいけないんだ!」
「らいちはいいよな。
なんだかんだ言って、あの超有名なポケモンの代名詞とも言えるあいつの進化キャラだもんな」
「そんなのは本当に肩書きだけよ。
いまやピチューだかプラスルだかマイナンだかパチリスだかに人気取られて私なんか微妙な位置よ」
「なんだ、結局はおまえ自身に魅力がないから微妙な位置になるんじゃないか?」
「……」
「ま、まぁ、そんな目で見るなよ。……お、あ、も、もうこんな時間だ!
こ、これからオレ、コガネシティ地下の安売り屋に行って来るんだよ!
……ほ、ほんとだぞ」
「うそだ!!!
コガネシティ地下安売り屋は月曜日の朝しかやっていない!!」
「はっ、しまった!
今日は火曜日だから、えぇっと、そうだ! ラ、ライバルと戦ってくる!」
「あんたのライバルって誰よ!
あんた赤髪の少年に奪われるポケモンでしょうが!」
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