その2 「ホワイトデー」
「♪〜」
「何してるの、かげろー」
「うん? ホワイトデープレゼントを包んでんだよ」
「あら、かげろーってバレンタインデーに貰っていたんだ。
で、誰に渡すの?」
「へへ、らいちじゃないから安心しておけ」
「あんたになんかもらいたくもないわよ。
あげてもないし」
「これはな、オレが昨日一目惚れしたキュウコンさんにあげに行くんだよ」
「へー、キュウコンにねぇ……」
「って、あんた昨日一目惚れしたってことはバレンタインデープレゼントも何もないじゃない!!」
「誰がバレンタインデー貰ったって言ったんだよ」
「はぁ……。しかも一目惚れってことは話したこともないんでしょう。
やめておきなさい。
初対面でホワイトデープレンゼントは迷惑だから」
「なんだよ、そんなに言うことないじゃねぇか。
それに一回見てるんだから初対面じゃねぇよ」
「あんたが一方的に彼女を見ただけでしょうが!」
「いちいちうるさいヤツだな」
「どうせホワイトデーにお返しを貰える相手もいないくせに」
「う、それは……」
「オレはお前みたいに自分から動かないなんてことはねぇからな」
「オレはオレ自身のやり方でやっていくぜ! ってことでいってくる!」
「……流石にあんたのそのやり方は無理だと思うけど」
...10分後
「しまった、らいち! 彼女の居所がわからない!!!」
「やっぱりバカね(10分経ってから気がつくって……)」
「やっぱ一目惚れした相手にもう一度ばったり会うなんてことは不可能なのかぁ」
「まぁ、何か接点がない限り不可能に近いでしょうね」
「しょうがない。今から出かけて惚れた女に渡してくるぜ!!」
「だから初対面でホワイトデーのプレゼントをするのはやめなさい」
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